更新日:2019年03月31日
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【文芸学部】 留学体験記 4 フランス語圏夏季短期研修 (フランス?アンジェ?西部カトリック大学CIDEF) フランスの寛容に学び、日本文化を再考
フランス?ロワール地方アンジェで行われた夏季短期研修を行った文芸学部劇芸術コース4年 (2018年度)のY.M.さんからの報告が届いています。
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劇芸術コースに所属し、フランス語に自信もなく、初めての海外で決心するまでに時間がかかりました。2016年はテロの影響もあって参加者が少なく同じ学年の人がいないことにも不安がありました。しかし、小さい頃からフランスの文化や歴史に興味があり、何より大学在学中に何か自分を変えられるような体験がしたいと思い、参加を決意しました。人生で1番思い切った決断でしたが、今では参加して本当に良かったと思っています。
寮には他大学の日本人学生がたくさんいて、授業や宿題は皆でフォローし合いながら楽しく学ぶことができました。先生方はとてもフレンドリーで、日本にも理解があり、語学力に関係なく皆で楽しめる空気を作ってくれていました。勿論、学校では日本語を使わないようにしたり、海外の学生と触れ合ったり、積極性が求められますが、苦なくそのような状況に身を置けるので、段々と学校の雰囲気に慣れていくと思います。
個々の努力は必要ですが、それ以上に団結して向上できる授業だったと思います。
授業の後や、休日にはアンジェを観光したり、バスでモン?サン?ミッシェルに連れて行ってもらったり、本当に楽しかったです。アンジェの街は安全で綺麗で、お城や教会などの美しさには感動しました。フランスの普通の生活が垣間見られ、ゆったりとした時間が流れるアンジェの街は大好きになりました。寮の近くの教会では日本語がペラペラの老紳士と出会い、色々とお話できたことが良い思い出です。
約1ヶ月の授業を終える頃には、先生方や学生の皆との別れが寂しく、充実感と達成感がありました。語学のこと以上に、何事にも積極的に臨むこと、周囲の人と支え合うこと、慣れない文化を尊重すること等、多くの学びがありました。
最後の3日間はパリでの観光でしたが、一緒に学んできた仲間と計画を立て、憧れの場所で様々なことを見たり聞いたり触れたりできたことは、忘れられない体験になりました。アンジェでの経験から、慣れない土地でも怖がらず(多少の緊張感は持って)、多くの体験ができたことに小さな成長を感じました。
ルーヴル美術館、シテ島、オペラ座、ベルサイユ宮殿、美味しい料理、圧巻でした!
フランスで様々な体験ができたこと、フランス人以外にも多国籍な学生と触れ合えたこと、たくさんの世界遺産や文化に触れたことで、改めて自分自身や日本について考えさせられました。大きすぎる経験を通して、自分の身の回りのことについて考える時間を与えられたような気がします。特に、フランス人の自国の文化に対する理解や寛容さ、そして誇りといったものから、考えさせられることが多くありました。私は劇芸術コースで歌舞伎を学んでいましたが、日本人として、自国の文化に興味を持ち、理解しようとし、学ぼうとする姿勢をもっと持っていきたいなと思うようになりました。それを多くの人に共感してもらいたいという思いも芽生え、就職活動ではそのような視点からやりたい仕事を選びました。大学2年生で、アンジェで学べたことは私の人生においてかけがえのない経験となりました。参加することができて本当に良かったです。
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このように、フランスへの短期研修に勇気を出して踏み出したY. M. さんは、この体験を自分の進路へと結びつけ、ここから大きな収穫を得て、自然と人生の宝となったのです。
共立女子大学では、さまざまな形で国際交流を行っています。Y.M.さんの報告にあるように、文芸学部の学生は大学での留学?研修の制度を積極的に利用して、行動範囲を広げながら、語学力を向上させ、異文化から学び、日本の文化を別の視点から考え直し、そして新たに世界に伝える力を身につけました。
本学では研修から帰国した学生に対して、その成果を報告レポートで評価して、「自己開発」の単位認定を行っています。さらに学習する言語を母語とする学生同士の日本語?仏語の交換授業のコーディネート、フランス語トークルームの運営?サポートも行い、留学や研修を後押ししています。本学では、ほかに、中国語圏への短期研修や交換留学も実施しています。
昨今、英語コミュニケーション能力の向上がうたわれていますが、英語だけが外国語ではなく、むしろ英語以外の外国語と併せて学んだ方が、英語力も伸びると言われています。国際化を目指すのであれば、多様な文化のあり方を学び、他者の考えに耳を傾けることから始めましょう。