Faculty of Nursing
更新日:2020年09月03日
地域?在宅看護学
【大学院看護学研究科】1期生の修士論文が学術雑誌に掲載されました
大学院看護学研究科修士課程1期生の修士論文が日本地域看護学会誌に掲載されました
髙橋 美保, 田口(袴田) 理恵, 河原 智江 「地域包括支援センター看護職が夫介護者を地域の水平的組織につなげる支援のプロセス」、日本地域看護学会誌、2020 年 23 巻 2 号 p. 43-51
http://jachn.umin.jp/jcontents/jcontents2321.html
(健康生活支援看護学領域 地域看護学分野)
2017年4月に開設された大学院看護学研究科修士課程は、今年で4年目を迎えました。1期生として卒業した4名は、現在、教育や実践の場で活躍しています。修士論文が無事学術雑誌に掲載されたこの機会に、1期生の高橋美保さんに大学院時代を振り返るとともに、後輩へのメッセージをいただきました。
Q.共立女子大学大学院看護学研究科修士課程はどのような場所でしたか?
A.「誰もが願う“住み慣れた地域で尊厳のある生活の継続”を保証するためには、健康な時の生活と病気の治療やそれに伴う療養生活が分断されることなく、ケアサイクルが円滑に循環されなければなりません。こうした現状に対応するためにも、看護学研究科では『療養生活』と『健康生活』の場に応じて展開されるケアと互いを結ぶ統合的なケアを学ぶことができます。
また、自分がより深めたい、学びたいと思ったテーマとしっかり向きあえる場であり、自分の可能性が広がる場であると思います。」
Q.なぜ修士課程に進学しようと思ったのですか?
A.「これまで、十数年市町村や地域包括支援センターの保健師として地域住民の健康支援に携わってきましたが、実践での経験に加えて論理的に学びを深めることにより効果的な支援が見出せることができるのではないかと思ったことがきっかけです。特に、地域包括支援センター勤務時代に、男性高齢者や男性介護者の支援について関心を持っていたので、研究してみたいと思っていました。」
Q.修士課程の2年間を通じて何が得られましたか?
A.「まず1つ目として、実践現場では、その場その場での判断が求められ、立ち止まることなく日々の業務をこなしており、経験値でカバーしながら支援を考えることが多くなっていましたが、2年間、指導教員から指導を受けながら修士論文を作成することで、支援においてもなぜこのようなことを行う必要があるのかを掘り下げながら論理的に考える力が磨かれました。また、修士論文の作成を経て、学会発表、学会誌への論文投稿を行いましたが、その過程も、多くの研究者から専門的な意見をうかがったり、議論を行ったりと、有意義な時間となりました。これらのことを通して、さらに自分の研究テーマと向き合い、より深めることができたと思います。
2つ目として、研究協力者である現場の看護職の方々も、インタビューを通じて自身の支援の振り返りができたと感じてくださったり、仕事におけるモチベーションアップにもつながるとフィードバックいただけたりしたことは、とても貴重な経験でした。自分が現場を経験しているからこそ研究協力者の伝えたいことがわかり、これは私の強みであることも感じることができました。是非、今後も現場の看護職に還元できるような研究を行っていきたいです。
3つ目として、この看護学研究科でしか出会えない先生方、仲間(同期)と出会えたことがとても良かったと思います。指導教員の先生は、研究初心者の私に対して、とても熱心に丁寧に指導してくださいました。指導の際には、どこができていてどこが課題なのかを分かりやすく教えてくださり、とても感謝しています。また、私には3人の同期がいるのですが、それぞれの研究テーマに取り組み、授業内外においても意見交換をしながら過ごしました。専門領域の異なる同期とのやりとりは新鮮で、看護学に対する視野を広げることにもつながりました。この3人は、修士課程修了後も教育や看護実践の場で活躍しており、今でも良き相談相手であり、かけがえのない同志だと思います。
4つ目として、修士課程終了後、私は本学看護学部の地域在宅看護学領域の助手として勤務しておりますが、新たな自分の可能性が広がったと感じています。これまでは現場で保健師として実践していくことにやりがいを持っていましたが、看護学研究科での学びを通して、看護教育の分野にも関心を持つようになりました。まだまだ教えることには不慣れですが、教育という側面から保健師の仕事の面白さを学生の皆さんにお伝えできるようになりたいな、と感じ始めているところです。ちょうど4年生の皆さんは卒業研究に取り組んでいる時期だと思いますが、私自身もつい先日まで論文作成に取り組んでいたので他人事とは思えず、頑張ってほしいなという気持ちでいっぱいです。」
Q.共立女子大学大学院看護学研究科修士課程を目指す方へ、どんなアドバイスがありますか?
A.「看護学研究科にて行う研究では、自分が努力して取り組んだことが反映され、何にも代えがたい達成感ある経験ができると思います。取り組みたいテーマがある方は、ぜひ進学をお勧めします。本学の学部生においても、卒業研究に引き続き同じ環境で教育、研究を続けられることはメリットであると思います。
迷っている方は、一度相談会などに参加し、雰囲気を感じてみてはいかがでしょうか。」