更新日:2020年11月11日
研究紹介
被服管理研究室の卒業研究を紹介します
近年、海洋プラスチックごみ問題をはじめ、プラスチックを巡る地中規模の環境問題への対応が世界的な課題とされ、SDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)の目標14に「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」ことが掲げられています。日本においても、海洋プラスチックごみ問題等の課題に対応するため、3R(Reduce?Reuse?Recycle)+Renewableによるプラスチックの資源循環を推進する「プラスチック資源循環戦略」が2019年5月31日に策定されました。さらに、2020年7月1日から容器包装リサイクル法の関係省令が改正され、プラスチック製買物袋の有料化が実施されています。
フリースなどの起毛素材の衣料を洗濯したときに脱離して流出するマイクロプラスチックファイバーも、海洋生態系に与える影響が懸念されています。被服管理研究室では、2018年から2年間、環境省の「漂流マイクロプラスチックを含む漂流?海底ごみの分布調査及び指標等検討業務」の一部を担当し、洗濯機フィルターのマイクロプラスチックファイバー排出抑制効果の検証を行ってきました。2020年度は、卒業研究として洗濯機から排出されるマイクロプラスチックファイバー等の繊維量の調査分析を行っています。
現在は、マイクロプラスチックファイバーを排出すると考えられる衣料品を使用して洗濯を繰り返し、洗濯に付属しているフィルターで捕集できる繊維量と、排水口から流出する繊維量を測定するという実験を続けています。これらの実験では地道な作業が求められますが、学生は、自分の取り組む卒業研究が地球規模の環境に関わる重要な課題であることに誇りを感じ、熱心に取り組んでいます。