Faculty of International Studies
更新日:2016年10月13日
国際学部の細野豊樹教授が、アメリカの選挙について学外のシンポジウムで講演しました。
日時 2016年10月1日(土)14時~17時
主催者 立教大学アメリカ研究所
題目等 『2016年大統領選挙とアメリカの現在』
「大統領選挙と日米関係」 会田弘継(青山学院大学地球社会共生学部教授)
「議会選挙の展望とアメリカ政治」 細野豊樹(共立女子大学国際学部教授)
「米大統領選挙とマイノリティの動向」西山隆行(成蹊大学法学部教授)
司会?討論 佐々木卓也(立教大学法学部教授)
会場 立教大学池袋キャンパス14号館D301教室
9月26日の第1回討論会では、民主党のヒラリー?クリントンが勝ったという評価が多数派であった。また、批判に対して過敏なドナルド?トランプの気性の問題が、ますます浮き彫りになった。にもかかわらず、トランプの支持基盤である非大学卒の白人のトランプ支持は、かえって強まっている。
こうしたトランプ現象の背景にあるのは、学歴格差がもたらす経済格差の拡大である。これを是正するのは、所得の再配分を進める必要があるが、近年の分割政府、すなわち大統領の政党と連邦議会の多数党が一致しない状態が、改革を困難にしている。高学歴層、女性、マイノリティなどはトランプを嫌っているが、これが支持政党の顕著な変化に結び付いていない。現職議員の優位という構造のもと、大部分の現職下院議員の議席は安泰であり、民主党が連邦下院の多数党に返り咲く可能性は低い。連邦上院については、改選犠牲が多い共和党が苦戦しているが、民主党が多数を取れるかは微妙である。分割政府と政治の停滞は続くと予測される。
情報技術等を駆使して支持基盤を動員する「地上戦」で投票率が上がれば、連邦議会や州レベル選挙の候補が恩恵を受けるが、クリントン陣営が2012年のオバマ並みの高い投票率を達成できるかは未知数である。