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学長ブログ ~学長のつぶやき~

第4回「本屋さんの新しい風」

竞彩足球比分_澳门皇冠足彩-体育|在线6年11月4日

共立女子大学?共立女子短期大学 学長 堀 啓二

本屋さんの新しい風

今回は本屋さんの新しい風について話をします。ITが発達し、本はどこでも簡単にnet上で買えるようになるとともにデジタル書籍で本に触れなくても読めるようになり、その傾向がどんどん進んでいます。そのような状況の中、新刊を中心とした本屋さんは確実に減っています。昔はみなさんのまちに1件はあった本屋さんが閉店しているのではないでしょうか。実際、出版科学研究所の調べによると1999年には全国で2万店以上あったのが2020年には約1万店にまで減っているそうです。なんとこの20年でほぼ半分になってしまいました。それは現在も続いています。しかし、本は当然読むという行為が本来なので、問題ないと思う人も多いかもしれませんが、私は本は「出会い」だと思います。本屋さんで必要な本を探していると、それ以外の本に興味が湧く瞬間があり思わず手に取り買ってしまうことがあります。まさに「出会い」です。本屋さんが減少する中、多様な本に出会える本屋さんの新しい風が吹き始めています。

みなさんは小さな独立書店がブームになっているのはご存じですか。「シェア型」あるいは「棚貸し」と呼ばれている書店です。店内の書棚を区画ごとに貸し出すシステムです。例えば30cm角の本棚を一箱とし1オーナーが一箱借りることができ、自分の名前や屋号を掲げオーナーの好む本を置き販売できます。個性豊かな箱が並び新たな学びと出会いが生まれます。吉祥寺にあるブックマンションが「シェア型」「棚貸し」書店の先駆けだそうです。70人のオーナーが常時いて、X(旧Twitter)などを通じて、お店を知り足を運んでくれる方が多いそうです。

本のまち「神保町」にも2店舗あります。

一つ目は今年4月に「さくら通り」にオープンした「ほんまる」です。「ほんまる」という店名、本屋の本丸という意味でしょうか、とても響きが良いです。この書店をつくったのは、直木賞作家の今村翔吾さんだそうです。地下1階、地上1階の2層約30坪に約360箱があり箱主は、一般の人から作家、俳優、企業、自治体等様々な方で個性豊かでその数だけ出会いがあると思います。そして直截的でとてもわかりやすいけど気になるロゴデザイン、店舗デザインはなんとクリエイティブディレクターの佐藤可士和さんだそうです。さすがだなと思います。

二つ目は2022年3月に「すずらん通り」にオープンした「PASSAGE by ALL REVIEWS」です。この書店のプロデュースは仏文学者?鹿島茂さんだそうです。その後4店舗に増え箱の数は約1000箱を超えています。1号店は入り口の狭さからは想像できないくらい奥行きが深く両側と奥に天井まで届く書架が並ぶ以外は、中央に机があるだけのすっきりとした空間です。木と白いアーチを基調とし、天井には1930年代アンティークのシャンデリアがありシンプルでありながら落ち着いたパリの邸宅を思わせるようなインテリアです。書架にはパリのラシーヌ通り、ヴィクトル?ユゴー大通りの名前がつけられ、箱には番地がついています。とてもおしゃれです。

ぜひ神保町を訪れ本屋さんの新しい風を体感してください。きっと良い出会いがあると思います。


第3回「元町公園―震災復興公園」

竞彩足球比分_澳门皇冠足彩-体育|在线6年9月30日

共立女子大学?共立女子短期大学 学長 堀 啓二

大衆娯楽の街だった神保町

第1回に神保町は「学びにあふれる街」という話をしました。

今はあまり感じられませんが、昭和5年当時、神田区内には活動常設館(映画館)が9館もありました。浅草6区には到底及びませんがまさに大衆娯楽のメッカの一つでした。なかでも東洋キネマ、神田日活館、シネマパレスの3館(地図参照)は、震災前後からトーキー(音声を伴った映画)の時代を迎えたころまで東京でも名門といわれた活動写真館だったそうです。まさに、エンターテイメントの場でした。びっくりですよね。

前回話したように文京区に住んでいたことから幼少期神保町にもよく行っていました。行っていたのは本屋さんではなく3館の一つである「東洋キネマ」でした。その当時(昭和40年頃)東洋キネマは現在のさくら通りにあり、東宝系の映画館でゴジラシリーズを見に行きました。子供の頃は映画を見ることが目的でしたが、半円形のアーチ、ギザギザのアーチ、そして柱頭を持つ列柱のポーチなど、バラバラな3つの建築がくっついた、街の中でも異質で子供心に変な形の映画館だな感じていました。東洋キネマは大正11年開館?1970年まで現存していました。私が見たのは『近代建築ガイドブック』(東京建築探偵団著、鹿島出版会、昭和57年)によると、設計:小湊健二、施工:西林組、竣工:昭和3年の建築です。「この作品は、建築家や芸術家の手によらず、一電気技師の彩管*によるものであるが、そうした復興期のダダ的*熱狂の余韻を今に伝える唯一の作と言って良いだろう。」として紹介されています。この時代に誕生し生息していた市井の人たちによる看板建築の究極と言えるのではないでしょうか。残念ながら1992年に解体され現存しません。

その後は神保町交差点に1968年に開館した興行会社が取り上げない名作を中心に上映していたミニシアター「岩波ホール」のみでした。岩波ホールも残念なから惜しまれつつ2022年7月29日に閉館しました。

これで神保町のエンターテイメントの火は消えたと思われる方もいるかもしれませんが心配しないでください。2007年すずらん通りを南側に入ったところに全く新しい名画座がオープンしました。神保町シアタービルです。設計は日建設計、山梨知彦+羽鳥達也です。地下が小学館が運営する主に日本映画の旧作を上映する映画館「神保町シアター」、2階から上は吉本興業運営のお笑い劇場「神保町よしもと漫才劇場」が入った映画館と劇場のコンプレックスで、まさにエンターテーメントの玉手箱ではないでしょうか。外観がとても特徴的です。三角形の鉄板が組み合わせの構成が印象的です。この構成が、マッシブでありながらも神保町の下町にあったヒューマンなスケールをつくりつつ、ホールとしての象徴性もつくり出しています。

ぜひ、神保町に訪れ学びのまちの1要素であるエンターテーメントを体験してみてください。

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彩管:絵筆のこと。ここではこのファサードをデザインしたという意味。

ダダ的:ダダイズムのこと。ダダイズムとは1910年代に起こった芸術思想、芸術運動のこと。あらゆる既成概念(形式美、価値)を徹底的に否定した運動。


第2回「元町公園―震災復興公園」

竞彩足球比分_澳门皇冠足彩-体育|在线6年8月23日

共立女子大学?共立女子短期大学 学長 堀 啓二

元町公園―震災復興公園?今も生き残るモダンデザイン

みなさんは「震災復興公園」をご存知でしょうか。先日宮崎で発生した地震により南海トラフ地震が現実味を帯びてきています。震災に対する備えをしっかりしたいものです。大正12年(1923年)関東大震災が発生しました。震災後、東京市は帝都復興計画の中で、大公園3箇所(浜町公園、錦糸公園、隅田公園)、災害時の避難場所、地域住民の憩いの場所、そして併設された不燃化?耐震化された鉄筋コンクリート造の小学校の校庭の延長として、小公園52箇所の震災復興公園の設置が計画されました。

私は生まれは福岡ですが幼少期を水道橋駅に近い文京区本郷で過ごしました。今では少なくなりましたが、震災復興公園である昭和5年に開園した元町公園とセットでつくられた元町小学校に通っていました。小学校は廃校になりましたが一部保存され元町公園と一体利用される計画です。元町公園は外濠(神田川)に面した南向きの傾斜地に造られています。スダジイ?ケヤキ?イチョウ?スズカケノキ?アオギリなどの大きな木が公園を囲う緑豊かな環境です。傾斜地に沿って広場が配置され樹木ともに豊かな景観をつくっています。子供心には広い公園のイメージで小高い丘の斜面地で泥団子造りやかくれんぼをして遊び回っていました。子供の頃にはあまり気にしていませんでしたが、とてもモダンなデザインの公園です。外濠(神田川)側からのメインアプローチで突き当りにアーチ模様の壁泉を持つ正面階段、イタリア?ルネサンス式庭園に、優れた作品が多く見られる段をなして落ちる人工の水路カスケード(水階段)、太い円柱が印象的なパーゴラ(つる棚)、左右対称の2連式滑り台など昭和初期の優れたデザインです。現在 1.歴史性の継承 2.憩いやにぎわい空間の創出 3.安全安心の確保 を目指し、数少ない震災復興公園の遺構として保全するために整備中です。竞彩足球比分_澳门皇冠足彩-体育|在线7年(2025年)4月にリニューアルオープン予定です。

来年春ぜひ一度訪れてみてください。


第1回「共立講堂」

竞彩足球比分_澳门皇冠足彩-体育|在线6年7月17日

共立女子大学?共立女子短期大学 学長 堀 啓二

今日は1回目です。どのような反響があるかとても楽しみです。

今回紹介するのは当大学のシンボルである共立講堂です。1938年(昭和13年)竣工です。対面には1928年旧館?1937年新館竣工の学士会館があります。学士会館は関東大震災後に建てられた震災復興建築です。昭和初期に流行したスクラッチタイルと玄関の半円アーチが特徴のレトロモダンなシティホテルです。共立講堂とともに当時の面影を残しています。設計者はなんと東京タワーの構造を設計した構造家内藤多仲、関東大震災後にできた豊かなバラック建築「資生堂パーラー」を設計した前田健二郎です。

創建当時、規模設備において日比谷公会堂と並ぶ大講堂でした。竣工当時はゴシック教会堂の双塔に似た両側の塔と縦型付け柱による垂直生を強調したゴシック調デザイン、屋根形状切妻のモダンな衣装でした。座席数2,578席、ステージ40坪、その中でも1階の1,050席は机付椅子で、授業に使用できるようになっており、別に補助椅子の用意があって総計3,200名の収容が可能で、オーケストラピットも完備した大講堂でした。しかし、1956年火災により全焼、当時の学園長鳩山薫の決意により、翌日から早くも焼跡の整理と復興作業が開始、残ったコンクリートの躯体を生かし、外装タイル張り替え、屋根は円形ボールトに変更し翌年復旧しました。再建に当たり文化的ホールとするため音響及び照明、特に音響については日本フィルハーモニー交響楽団指揮者の渡辺暁雄氏の指導のもと整備されたそうです。この時の客席数は2010席でした。(現在改修で1,769席)戦後はこのような大講堂は少なく外部に貸し出したため「日本文化の殿堂」と呼ばれ、クラシック、フォーク、ロック、海外アーティストなど音楽関係公演のメッカでした。現在は消防法などの改正により外部貸出は終了し主に大学?中学高等学校の催しに使用しています。単発ではフォークグループの「アリス」の復活公演なども行われました。


皆さんこんにちは

竞彩足球比分_澳门皇冠足彩-体育|在线6年7月10日

共立女子大学?共立女子短期大学 学長 堀 啓二

皆さんこんにちは。

この4月に共立女子大学?共立女子短期大学の学長に就任した堀です。

私は東京藝術大学美術学部建築科を修了後、建築設計事務所を主宰し設計をしつつ20年共立女子大学建築?デザイン学科で後進の指導をしてきました。専門は建築設計です。私の設計のテーマは「居心地の良い場をつくる」です。建築の空間は皆さんが日頃から必ず使うもので大学キャンパスもその一つです。学生の皆さん、教職員皆さんそしてこのキャンパスを訪れる人たちが使いやすく快適で愛着が持てる居心地の良い場としていきます。乞うご期待。

共立女子大学?共立女子短期大学のキャンパスが位置する神田?神保町はキャンパスライフを満喫するにはとても良い立地です。神田神保町を中心として皇居?東京駅丸の内周辺?日比谷公園?銀座?渋谷?新宿?表参道?原宿などに電車で気軽にアクセスできます。その中でも神田?神保町は「学びにあふれる町」です。神保町には様々な「学び」があります。古本屋街などの世界一の「本の街」、明治大学、日本大学、専修大学、共立女子大学などの「大学の街」、中華、カレー、コーヒー、ワイン(テラススクエア屋上農園、ワイン醸造)などの「食の街」、お茶の水周辺の楽器店などの「音楽の街」、スポーツ用洋品店などの「スポーツの街」そして、昔の面影が残る「街」など様々な「学び-知恵」に溢れています。

これらのまちは様々な建築によって豊かな景観?居心地の良い場をつくり出しています。

建築の設計は日頃から実際のまちや空間を体験することが重要です。私も職業柄いつもまちを観察しています。いつものまちでも新たな発見があるのではと楽しみながら歩いています。そんな発見の一部を紹介していこうと思います。

まず次回、1回目としてお膝元の共立女子学園共立講堂を紹介します。


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