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文芸学部学部長より

面白いと思ったことから自分を育てる


 共立女子大学文芸学部は1953(昭和28)年の創設時より文学と芸術の双方を広く深く学ぶことを教育の中心に据えてきた学部です。

 「広く」学ぶことは浅くなりがちです。

 「深く」学ぶことは狭くなりがちです。

 しかし、文芸学部ではあえて「広く深く」学ぶことができる体制を維持し続けてきました。特に入学1年目は全員が文芸学部文芸学科の学生として「文芸入門」や多彩な概論科目を通じて広さを感得してもらいます。2年目から言語?文学、芸術、文化、メディアの4領域のどこかに所属しながら専門的な学びに触れてゆき、3年目には7つの専修のいずれかに所属して自らのテーマに沿った専門性を深めていきます。自分が所属していない領域や専修の授業を自由に履修できる点も特徴の一つです。

 人文学系の学問が私たち人間の未来に希望をもたらす可能性があるとすれば、「広さ」と「深さ」の両立は重要な鍵ではないかと考えます。自ら知っていると思い込んでいる世界のさらにその先に広がる未知の世界や出来事との出会いが「広さ」であるとすれば、自らの内に存在する知への欲求を大切に育てあげ、自分で考える力を育むことが「深さ」です。

 文芸学部文芸学科には実に様々な分野の学問を専門としている35人の専任教員がいます。私たちも若い皆さんと出会うことで自らを広げ、共に問題について考え、思考を深めていく過程を通じてささやかな(時には偉大な)発見ができることを待ち望んでいます。面白いと思えることならば人はいくらでも頑張れます。文芸学部で共に成長していきましょう。


文芸学部 学部長 阿部 由香子